うつ病の療養中、役所の窓口に並んでいたときのことです。
カウンターの向こうに、知っている顔が見えました。
声をかけられたわけでも、目が合ったわけでもありません。
それでも私は、その場を離れてしまいました。
手続きは、その日は終わりませんでした。
それから、一人で行けないところが増えていきました。
用事の書かれた紙を前にして、行かなければと思いながら、体が動きませんでした。
できていたことができなくなったと認めるまでには、時間がかかりました。
変わったのは、代わりに行ってもらうことにしてからです。
窓口も、地域の集まりも、頼んでいいのだと知りました。
頼むと決めたことで、私が行けない日にも用事は終わるようになりました。
行けない日があるのは、今も変わりません。
それでも困らなくなったのは、一人で全部を背負わなくていいと分かったからでした。
