この記事では、教員の休職について、うつ病を罹患し、実際に3年間休職した、私の経験談を元に解説していきます。
こんにちは。クロヒョウ先生@Webライターです!
クロヒョウ先生の自己紹介「教員としてがむしゃらに働いていたら、うつ病になってしまった…。このまま勤務を継続することは難しいが、休職はできるのだろうか…?」
「うつ病になってしまったけど、いきなり退職するのではなく、1度休職し、人生を立て直すことはできるかな…?」
「教員の休職の仕組みってどうなってるんだろう…?」
と思っている教員の方が、数多くいるのではないでしょうか。
本記事では、うつ病を罹患し、実際に3年間休職をした筆者が、自身の経験を元に、教員の休職について解説します。
公立学校の教員は、3年間、休職できる仕組みになっています。
実際には、休職より前に、半年間、有休休暇扱いの特別休暇を取得することができるため、特別休暇で半年、休職で3年、合計3年半は、勤務することなく、治療に専念することができます。
休職するためには、医師の診断書の提出が必要となり、医師の診断書に書いてある期間、休職することになります。
病状や医師の方針、職場の状況などによって、診断書に書かれる期間は様々かと思いますが、私は、3ヶ月ごとに診断書を提出していました。
また、「休職中は、給与がもらえるの?」と切実な疑問を持っている方が多いと思います。
特別休暇中の半年間は、給与が満額もらえます。
そして、3年間の休職期間のうち、最初の1年間は給与の8割、1年後から2年半までの1年半は、給与の3分の2相当の金額を、傷病手当金という形で受給できます。
最後の半年間は、自治体によって異なるかと思いますが、私の場合は、傷病手当金と同様の金額が、傷病手当金附加金という形で支給されました。
3年半の間、一定の金額を受給し続けられるメリットはとても大きいです。
なお、傷病手当金は給与ではなく、無給扱いになるため、傷病手当金の受給が始まったタイミングで、それまで給与から天引きされていた住民税と社会保険料は、自分で支払い手続きを行うことになります。ちなみに、傷病手当金は非課税のため、所得税の支払いはありません。
さらに、「休職中は、どのような生活を送ることになるのだろう…?」と休職中の生活について知りたい方も多いと思います。
家庭環境や病状などが異なるため、各々で内容は変わってくると思いますが、私の場合は、
・病気療養 ・通院 ・家事 ・育児
・運動療法
・お金に関する様々な分野の勉強
・フリーランスのWebライターになるための準備
を、毎日優先順位を決めて、体調と相談しながら行っていました。
休職期間の前半は、病状が重く、ほぼ寝たきりであったため、病気療養のみになることが多かったですが、休職期間の後半になるにつれて、それ以外の活動も行えるようになってきました。
私は、休職期間満了後に退職しましたが、休職から復帰するプログラムも、制度としてしっかりと用意されていました。実際に利用はしていませんが、詳細を、記事内で紹介します。
私自身、実際に休職するまで、教員に、しっかりとした休職のシステムが用意されていることを知りませんでした。
もしも、新規採用時から、休職についての正確な知識を持っていれば、もっと戦略的に勤務することができたため、後悔しています。
本記事を読むことで、そのような後悔をする人が減り、健康面や経済面で良い状態を保ちながら、教員生活、人生を続けられる方が1人でも増えたら幸いです。
では、早速まいりましょう!
公立学校の教員の休職の仕組みを、私の経験を元に解説します。
仕事を休み始めて、最初の半年間は、休職扱いにはならず、有休を連続でとる“特別休暇”という形になります。
そして、半年間の特別休暇終了後、引き続き欠勤するとなった場合に、休職という身分に切り替わります。休職期間は、最長で3年です。
したがって、休み始めてから3年半の間は、身分を保ったまま、仕事を休むことができます。
民間企業では、必ずしもここまでの保障があるとは限らないので、大変優遇されていると思います。
私の場合は、A医院でうつ病という診断をされてから、しばらくは、職場にはその事実を伝えず、だましだまし勤務を続けていました。
そして、うつ病の症状がひどくなり、家庭生活を送ることも困難となったため、B医院で医療保護入院という形で入院しました。
うつ病の入院生活はどんなかんじ?入院でうつ病は治るの?そのタイミングで、職場の長に連絡し、勤務できないことを伝えました。
そこから特別休暇がスタートし、半年経過しても、病状が改善しなかったため、特別休暇から休職に切り替わり、3年間の休職期間を満了しました。
3年半、治療に専念できることのメリットはとても大きかったです。
私の経験を元に、休職するために必要な手続きを紹介します。
私が休職するために行った手続きは、①~⑤の通りです。
①教育委員会に、2名の医師による2通の診断書を提出。辞令書を受け取り、診断書記載期間である3ヶ月間の休職がスタート
②休職を継続するために、再度診断書の提出が必要になる前月に、自分の通っている病院に、次月での診断書の作成を依頼。休職を継続するためには、毎回、2名の医師による2通の診断書の提出が必要であったため、次月の2名の医師による診察を事前予約
③診断書の提出が必要になる該当月に、2名の診察を受け、2通の診断書を受け取る
④職場の長を通して、教育委員会に2通の診断書を提出。辞令書を受け取り、診断書記載期間である3か月間の休職延長が決定
⑤ 休職期間満了まで、②~④の繰り返し
という流れでした。
休職を継続するためには、2名の医師による2通の診断書の提出が、毎回必要でした。これは、セカンドオピニオンではないですが、病状の信憑性を、確実なものにするための事務的なシステムだと考えられます。
私の場合は、大病院に入院した後に、随時3名体制で診察を行っている系列のクリニックに通院していたため、同日に2名の医師の診察を予約することができ、即日で2通の診断書を受け取ることができました。
しかしながら、個人のクリニックなどに通っている方は、さらにもう1つ病院を探して受診し、同じような内容で診断書を書いてもらわないといけないため、その労力は計り知れません。
ただでさえ、うつ病を罹患し、日常生活もままならない状況であることが予想されるため、2通の診断書を用意することだけで、体調が悪化してしまう可能性もあります。
私自身、休職を開始したばかりの頃は、月1の通院ですら、スムーズに行うことが困難であったため、もう1つの病院で、自分自身のことを1から話して、診断書の作成まで依頼することは、無理だったかもしれない…と感じています。
同日に、1つの病院で2名の診察を受けることですら、大きなエネルギーが必要であったため、どのような状況の方でも、2通の診断書を用意し、提出するシステムは、過酷なものになると思います。
休職を考えている方は、事前に、どのように診断書を用意するかのシミュレーショまでしておくことをオススメします。
無事に辞令書を受け取り、休職がスタートしました。
辞令書をもらうことで、休職という身分に切り替わり、これで落ち着いて療養に専念できるな…と安心したことを覚えています。
なお、辞令書には以下のような内容が書かれていました。
・氏名(〇〇 〇〇)
・職(~学校教諭、~県公立学校教員)
・発令内容(令和〇年〇月〇日付け発令の休職期間は令和〇年〇月〇日までとする)
・日付(令和〇年〇月〇日)
・任免権者(〇〇教育委員会)
また、辞令書に同封される形で、“職員の休職処分についての通知”や“処分理由説明書”も受け取りました。“法律に基づいて、処分を下します“というような事務的な内容で、特に紹介が必要な内容ではないため、詳細は省略します。
3ヶ月ごとに、2名の医師による診察を受け、2通の診断書の提出を繰り返すことは、とても大変でした。
治療の予測がつかない中で、3ヶ月よりも、長い診断書の期間を書くことは、病院側にとっても難しいとのことだったので、3ヶ月ごとに手続きを踏むことは、仕方がないことでした。
しかしながら、手続きの労力は、とてつもなく大きかったので、これから休職を考えている方は、診断書の用意で疲弊し、体調を崩さないようにしてほしいと思います。
休職中は、給料がもらえるの?という質問をよく耳にします。
休職中に給料がもらえるかどうかは、誰もが最も気になることの1つだと思います。
私自身、休職を経験するまでは、休職中の金銭面での知識が何もなかったため、事前に知っていれば…ということがとても多かったです。
以下に、私の経験を元に、休職中の金銭面の制度について記載していくので、知識として取り入れてもらえたら幸いです。
休職前の、半年間の特別休暇中は、その時点での給与の満額がもらえます。
そして、休職開始から1年間も、給与の8割の金額をもらうことができます。
したがって、仕事を休むという決断をしてから、1年半の間は、給与がもらえることになり、その間は、それまでと同様、税金や社会保険料の支払いも、自動的に行ってもらえます。
また、休職開始となり、給与が8割に減額になることへの対応として、互助組合から毎月2万円の傷病見舞金をもらうことができました。
休職開始から1年が経過すると、給与がもらえなくなり、無給となります。
しかしながら、引き続き、共済組合から、非課税の傷病手当金を1年半の間、受給することができます。
傷病手当金の金額は、給与の3分の2の額です。ある程度の金額が振り込まれるため、なんとか生活を保つことができました。
傷病手当金の受給に切り替わったときに、1つ気をつけなければならないことは、住民税(非課税なので所得税はない)と社会保険料(年金や健康保険)は、傷病手当金から自分で支払わないければならないということです。
住民税が前年度所得を元に決定し、社会保険料が満額の給与を基準に算出されるため、それなりに高額の支払いになります。
3ヶ月分まとめて支払うよう指示されたりもしたので、一定金額をあらかじめ用意しておくことをオススメします。
傷病手当金の受給中も、引き続き、互助組合から傷病見舞金が毎月2万円振り込まれたので、とても助かりました。
傷病手当金の支給期間は、仕組み的には、1年半となっています。
ただ、私の所属していた共済組合では、傷病手当金支給終了後から休職期間満了までの半年間、傷病手当金と同額の“傷病手当金附加金”を受給することができました。
最後の半年間も、給与の3分の2の金額がもらえたことで、休職期間満了まで常に安心し、療養に専念することができました。
以上より、特別休暇中の半年間は、給与の満額。3年間の休職期間のうち、最初の1年間は、給与の8割、残りの2年間は、給与の3分の2の金額が受給できたということになります。
仕事を休みながら、身分を保った状態で、これだけの金額がもらえることは、治療上大変大きなメリットでした。
民間企業なども含め、世の中を広く見渡した時に、教員の休職に関する経済面の制度は、かなり恵まれているな…と感じます。
私は、休職を開始するまで、金銭面の制度に関する知識が何もなかったので、後悔しています。本記事を読んだ方が、金銭面の正確な知識を得た上で、戦略的に休職できるようになることを期待します。
休職しても、休職期間中は、金銭面の心配をあまりせず、安心して生活できるということだね!
休職中はどのような生活をするの?と気になっている方も、多いのではないでしょうか。
私自身、休職前に、休職中の生活についての知識は、これっぽっちもありませんでした。
緊急的に大病院に入院したところから、特別休暇や休職がスタートし、自分の病状に合わせて生活内容を取捨選択してきた形です。
経験を元にした1つの参考事例として、どのような生活を送ったかを紹介します。
では、実際にクロヒョウ先生@Webライターは、どのような休職生活を送っていたのかな?
①休職初期
約3ヶ月間の大病院での医療保護入院を経て、退院し、系列のクリニックでの月1での通院をしながらの療養生活がスタートしました。
退院して最初のうちは、夕方くらいまで、身体が思うように動かず、ほぼ寝たきりの状態でした。ずっと布団から動けず、何時間も寝続けるような状態でした。
夕方くらいから動けるようになることが多かったため、夜に散歩するのを日課にしていました。この散歩があったおかげで、心身の状況を少しずつ改善させることができたように思います。
休職初期は、布団にいるか、散歩をしているかのどちらかでした。また、身体が思うように動かないため、トイレや風呂などに行くことも、とても大変でした。また、活動時間が少なかったため、食欲もなく、食事もほとんどとれないような状態でした。
地道に療養を続ける中で、少しずつ、動ける時間が長くなっていき、昼前くらいから動けるようになりました。
②休職中期
昼前くらいに動けるようになり、活動時間が少しずつ増えてきました。
主治医から、活動時間に合わせて、1つずつ家事や育児などのやることを、無理のない範囲で増やしていこうと助言をもらったため、そのような方針で、少しずつ、家事と育児の負荷を増やしていきました。
また、休職初期は、夜の散歩しかできませんでしたが、休職中期では、調子の良い時間帯にランニングができるようになりました。運動療法という位置づけで、治療の一環として、ランニングを続けることで、確実に病気が良くなっていったように思います。
運動療法は、副作用がなく、薬物療法と同様の効果が期待できるという情報を、精神科Youtuberの動画で学んでいましたが、まさにその通りだなと、実体験から感じています。
さらに、金銭面についての心配が常に頭にあったので、お金に関する勉強を、毎日少しずつ始めることにしました。
恥ずかしながら、教員の職業の性質上、金銭面についての知識が皆無で、研鑽する機会も持たずに10数年勤務してしまったため、本当に0からのスタートでした。
このブログを作るきっかけにもなっていますが、たまたま行った本屋で、書籍「お金の大学」に出会い、「お金の大学」を執筆した両学長が、毎日発信している動画を欠かさずに見ることで、自然とお金の知識が身につき、色々なことを調べるようになりました。
最終的には、家計に関する論文のようなものを作成することができ、家族に発表しました。
家計を良い体質に改善し、資産運用のシステムも構築することができ、金銭面の不安が大幅に減ったため、とても良い活動であったと自負しています。
上記のような療養を続ける中で、活動できる時間が少しずつ増えていき、朝に不調が残っている以外は、ほぼ通常通り動けるようになり、休職後期を迎えました。
③休職後期
休職後期は、朝の不調以外は、ほぼ普通に活動できるようになっていました。
家事、育児、運動療法、お金の勉強を継続する中で、教員を退職し、フリーランスのWebライターとして、新たに生計を立てていきたいと思うようになりました。
そこで、フリーランスのWebライターになるためのロードマップを作成し、1つ1つ進めることにしました。
内容は、このブログでの執筆トレーニングが中心ですが、フリーランスで活動していくための環境構築、オンラインサロンへの入会、Webライター用書籍での勉強、自作の執筆マニュアルやテンプレートの作成などを行いました。
そして、退職後の事務手続や、ブログでのアフィリエイトへの挑戦、Webライターとしての案件獲得のための準備などを行い、今に至ります。確定申告やインボイス制度などへの対応が今後の課題です。
このように、休職後期は、うつ病を罹患したとは思えない程、むしろ教員時代よりも良い状態になり、人生を再構築することに成功しました。
人生万事塞翁が馬といいますが、まさにその通りだと感じています。
うつ病になったときは、最悪の出来事が起こったと考えていましたが、うつ病になってから起こる1つ1つの事案に、丁寧に向き合い続けた結果、うつ病を罹患する前よりも、良い状態で生活できるようになりました。
休職初期は、絶望感しかありませんでしたが、療養に真摯に向き合うことで、人生の再構築ができると思うので、焦らず地道に療養に専念することをオススメします。
うつ病患者の療養生活はどんなかんじ?治療法は?どのような生活を送るかをしっかりと考え、ルーティンを変えることで、生活の質が改善していきそうだね!
教員を休職し、もう一度職場に復帰することはできるのかな?
私は、3年間の休職期間満了の後、病状や家族の状況、今後の人生などを、多面的、総合的に考えた結果、教員を退職しました。
しかしながら、教員を休職し、もう一度職場に復帰したいと考える人も多いのではないでしょうか。
私が休職を開始したとき、教育委員会から、【職場復帰の手引】というものを受け取りました。休職から復職するシステムがしっかりと記載されており、とても驚いたことを覚えています。
今見ても、うつ病や休職のことを良く理解したうえで、丁寧に作られているな…と思わず感心してしまう内容です。
そこに書かれている内容を紹介するので、復職の参考になれば幸いです。
【職場復帰の手引】
①職場復帰支援における役割
学校:本人の病状把握、関係者と連携し職場復帰を支援
主治医:本人の治療を行い、本人や学校に配慮すべきことについて、指導・助言
家族:生活面での支援、本人の病状を主治医に伝える、学校との連絡窓口
〇教育委員会
職場復帰相談医:学校からの相談に応じ、職場復帰支援について指導・助言
福利課:学校の相談に応じ、必要があれば本人との面談や同行受診
人事主管課:学校の相談に応じ、必要な手続きの支援
外部相談機関相談員:本人や家族等からの相談に随時応じる
②御家族の皆様へ
・療養開始後しばらくは、病状が改善するまで、御家族が本人に代わって職場と連絡を取り合う
・受診の際、本人に同行し、本人の様子を伝える
・病状が良くなってくると、本人が職場復帰を焦る傾向があるため、必要に応じて主治医や職場と相談し、無理をさせない
・職場復帰後は、定期的に職場と本人で面談。家庭での様子で異変などあれば、職場に連絡をし、連携して再発防止を
③職場復帰までの流れ
第1ステップ:療養の開始…主治医の指示に従い、通院治療。仕事のことは考えず、療養に専念
第2ステップ:療養中…焦らず通院治療を継続。職場に定期的に病状や主治医からの指示を伝える
第3ステップ:回復期…病状が良くなってきたら、食事や睡眠を規則正しくとり、生活リズムを整える。無理はせず、疲れたら休む。生活リズムが安定し、職場復帰ができそうだと感じたら、主治医や職場に相談。段階的に職場環境や職務に慣れ、着実に職場復帰ができるよう、職場復帰訓練を行う。無理のない復帰訓練計画を職場や主治医と相談し、作成。
第4ステップ:職場への復帰…不安や困ったことがあれば、すぐに主治医や職場へ相談。復帰訓練をしている場合は、受診時に主治医へ復帰訓練中の様子を伝える。
第5ステップ:職場復帰後…焦らずに少しずつ、自分のペースを取り戻していく。職場との定期的な面談で、不安や困りを取り除く。主治医の指示に従い、通院治療を継続。
④生活リズムの調整
病状が良くなってきたら、生活リズムを整える。病状の出方には波があるので、自身を客観的に見るために、「1週間の生活リズム表」を活用する方法もある。病状が良くなってくると、徐々に好きなことができるようなってくるが、無理はせず「やりたいことをやれる範囲でやる」「疲れたら休む」ことが大切。
⑤職場復帰訓練について
徐々に生活リズムが安定し、仕事に対する意欲が高まってくる半面、職場復帰のことを考えると不安やプレッシャーを感じることがあります。また、「日常生活が可能な程度の回復」と「職場復帰が可能な回復」は同じものではありません。このため、教育委員会では、以下の理由から概ね4週間程度の職場復帰訓練の制度を設けています。
〈職場復帰訓練の必要性〉
・長期間の療養をしていた教職員が、復帰訓練計画に基づいて、段階的に職場環境や職務に慣れることにより、着実に職場復帰ができるようにするため
・実際に職務を行ってみることにより、回復の程度を本人と職場が確認できるようにするため
・復帰訓練の実施状況を主治医に伝えることにより、職場が配慮すべき事項等について、主治医に具体的に相談しやすくするため
〈職場復帰訓練実施の対象〉
・療養期間が90日を超える場合
・主治医から復帰訓練を指示された場合
・上記以外であっても、繰り返し長期間の療養をしている場合や本人が希望した場合は主治医と実施について相談をする
〈職場復帰訓練の目安となる回復状況〉
・十分な睡眠がとれている
・勤務に合わせた時刻に起床・就寝ができている
・日中、強い眠気を感じずに過ごせている
・食欲があり、適切な時間に食事ができている
・家族や周囲の人にあいさつができている
・外出やウォーキングができている
・通勤時間帯に1人で安全に職場に向かうことができている
・外出時の服装や整髪等の身だしなみに気をつけられる
・気分の落ち込みや高揚がない
・1時間程度集中して、読書やパソコン作業等ができる
・仕事に対する意欲がある
このように、うつ病について、しっかり理解された上での、丁寧な復帰プログラムが用意されていました。
休職を開始する前は、このようなしっかりとしたシステムが準備されていることを知りませんでした。
ただ、がむしゃらに、教員としての勤務を継続していましたが、事前に上記のような内容を知っていれば、勤務する上での戦略は、大きく変わっていたと思います。
このようなしっかりとしたシステムが構築されているということは、教員でうつ病を罹患し、休職する人が多数いるのだろうということを実感させられました。
実際に、毎年約5,000人程度の教員が、精神疾患により休職しているなどの報道もあるため、このようなシステムが用意されているのも納得です。
教員の仕事内容はブラック?魅力的?メリットやデメリットは?教員をやっていて、うつ病になってしまうことは、一般的なことと捉えて良いかもしれませんね。
⑥カウンセリングなどの紹介
職場復帰の手引きの付録として、相談無料のカウンセリングなども紹介されていたので、参考程度に紹介します。
〇面談カウンセリング(利用時間:1回50分以内、利用回数:年度内10回まで無料(11回目からは自己負担))
〇復職サポートプログラム(利用時間:1回50分以内、利用回数:年度内15回まで無料、対象:精神疾患により長期療養された方、復帰ができる程度に病状が回復し、復帰への意欲があり、主治医の了解が得られていること)
〇電話カウンセリング(利用時間:1回50分以内、利用回数:Eメールカウンセリングと合わせて年度内10回まで)
〇Eメールカウンセリング(利用時間:制限なし、利用回数:電話カウンセリングと合わせて年度内10回まで)
しっかりした休職システムが構築されている上、これだけ無料で相談できる方法もあると、安心して療養できそうだね!
今回の記事では、教員の休職の仕組みを、実際に3年間休職した私の経験を元に、紹介してきました。
教員の世界には、しっかりとした休職システムが用意されています。
職場、医師、教育委員会との連携の元、正規の手順を踏むことで、休職を開始・継続することができ、その期間の金銭面の制度も、大変恵まれています。
休職期間中は、病気療養が中心にはなりますが、病状に合わせて、家事や育児などに取り組んだり、自己成長をしたり、人生の再構築を試みたりすることが可能です。
また、職場復帰についても、しっかりとしたプログラムが用意されているため、大変手厚い環境が整っています。
私は、休職に対する知識がない状態で、病状悪化により、半強制的に休職せざるを得ない状況でした。知識があれば、もっと早く戦略的に休職していたな…と後悔しています。
教員として勤務する中で、体調が優れない日々が続いている方は多いと思います。
もしも、本当は休職したいけれど、なんとなく躊躇している方がいたら、本記事を読むことで、正確な知識を得て安心し、思い切って休職してもらえたら幸いです。
本来は、休職者がいない教育界が理想だとは思いますが、SNSなどを通じて、教員の労働環境のブラックさが世の中に広まり、採用倍率が激減し、環境の向上がすぐには望めそうにない現状では、上手く休職の仕組みを活用していくことが賢明かと思います。
健康に勝るものはありません。
実際に、私も休職して健康を取り戻し、人生も大きく好転したため、本記事を参考に、健康に生活してもらえたら有難いです。
それでは、最後まで本記事を読んでくださり、ありがとうございました!クロヒョウ先生@Webライターでした!
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