2022.9.7 ブログ開設しました

うつ病の入院生活はどんなかんじ?入院でうつ病は治るの?

クロヒョウ
クロヒョウ

こんにちは。クロヒョウ先生@Webライターです!

この記事では、うつ病での入院治療の様子を、私の経験を元に紹介します!

うつ病での入院は、うつ病を治すために、大変効果的です。

実際に精神科での3ヶ月の入院を経験し、うつ病の寛解に近づきながら治療している筆者の実体験を元に、入院生活を紹介します。

入院だけで、うつ病が寛解することはないかもしれませんが、うつ病治療の土台をしっかりと作ることができ、その後の療養生活の質もとても高いものになります。

うつ病の入院治療の実態がわからず、怖い気持ちを持って1歩を踏み出せずにいる人も、是非この記事を読み、前向きに入院を検討できるようになれば幸いです。

では、早速筆者の経験したうつ病での入院生活を紹介していきます。

1 うつ病の入院生活はどんなかんじ?

それでは、うつ病での入院生活を項目ごとに説明していきます。

1.1 入院生活開始

うつ病による体調が悪化の一途をたどり、日常生活を送ることが困難になったため、入院施設のある精神病院を妻と受診しました。

重度のうつ病で、希死念慮も強く、即刻入院する必要があるため、医療保護入院という形で受診後即座に入院しました。

喫煙習慣アルコール依存症の傾向もあったため、入院に対してかなり後ろ向きでしたが、自分の体調面の辛さ妻の後押しにより、その場の勢いで入院を決定し、退路を断つ形となりました。

まず初めに、「入院診療計画書」というものを渡され、そこには、

担当看護師薬剤師管理栄養士精神保健福祉士の氏名

病名 ・症状 ・治療計画 

検査内容及び日程 ・推定される入院期間

・特別な栄養管理の必要性  

などが書かれていました。

また、同時に退院後生活環境相談員の選任と役割のご紹介という文書ももらいました。現在、生活環境相談員の利用はしていませんが、入院時から、退院以降を見据えて手厚い対応を準備してくれていることに後から気づきました。

さらに、“あなたは一般病室で治療するためには、あなた自身または他の方の療養に支障がありますので、隔離病室に入室していただきます”というワンペーパーをもらい、閉鎖病棟内隔離室での入院が開始しました。何もない部屋に1人、というかんじの生活です。

予定入院期間3ヶ月との記載があり、一般的な病気や手術などでの入院より遥かに長い入院での治療に取り組むことになりました。

1.2 オリエンテーション

続いて、担当看護師によるオリエンテーションを受けました。そこで伝えられたルールを思い出せる限り、順不同で記載します。

・病棟内での携帯電話の使用は禁止  

・院内での布教活動は禁止

・院内・敷地内全面禁煙   

飲酒は禁止   

・職員に対する志は固くお断りする

・回復過程に応じて病室を移動する  

・面会時間は9時30分~17時

・ライター、ナイフ、カミソリ、ハサミ、針、爪切りなどの危険物は、事故防止のため持ち込んではいけない

・安全を守るため、部屋に鍵をかけたり、安全ベルトなどを使用することもある

・担当看護師と一緒に生活プランを立てる  

・隔離室、廊下、食堂には観察用カメラあり

・他の患者の部屋への出入りなどは固く禁じる

・私物には全て記名をする  

・病棟に洗濯室、乾燥室あり

・患者が希望する間食や小遣いは、家族が持ち込める  

というような内容で、これらのルールを元に全員が生活していました。

精神科では、自殺防止の意識が高く、スマホなども含め、持ち物は本当に最低限のものしか持ち込めません。家族が持ってきてくれる間食が唯一の楽しみでした。

飲酒についても、精神疾患の病状悪化につながるため絶対禁止でした。

喫煙習慣がある人は、1日に1回、看護師と敷地外に言って吸っていました。

自分は、入院前は飲酒も喫煙もしていましたが、この入院で禁煙と断酒をすることを心に決め、見事成功しました。入院開始から現在まで、1口もタバコも酒も口にしていません。昔の自分から考えると、奇跡的なことです。

入院生活をすることで、外界との刺激が完全にシャットアウトされたため、飲酒や喫煙をしなくても、問題なく生活できたのだと思います。それくらいストレスのない落ち着いた生活を、入院生活では送ることができました。

1.3 日課

続いて、日課を紹介します。うつ病の影響で思うように動けないときも多かったですが、概ねこのような日課で生活していました。

 5:30 食堂開放

 6:00~7:00 起床および洗面

 7:30 朝食

 8:30 朝礼

 8:35~8:40 朝薬

 11:45〜 昼食

 13:00~13:30 昼薬

 16:00 トイレ回数確認、夜勤者挨拶

 18:00 夕食

 18:30~19:00 夕薬

 20:30~21:00 就前薬

 21:00 消灯

 22:00  就寝、食堂閉鎖

精神疾患の性質上、朝にひどい不調を訴えるケースが多いため、自分も含め、朝食に時間通りに参加できない人は数多くいました。

基本的な方針として、外界との接触を完全にシャットアウトした状態で、薬物療法をしっかりと行う日程になっています。

通院による治療では、薬の副作用を、リアルタイムで見ながら変えたりすることができません。入院することで、自分に合った薬を医師の観察下で選んでもらえたことは、とても大きなことであると感じています。

現在も月1での通院をメインとした療養を続けていますが、薬物療法が治療の柱になり、その他の要素はそれほど多くないため、入院による薬の決定は、その後の経過を決定づける程の大きなメリットがあると思います。

1.4 週間予定

次に週間予定ですが、大体このようなかんじでした。

【月曜日】

am朝礼、入浴(女性9:00~)、洗濯物週配備 

pm小遣い受領、シャワー浴(男性15:00~)

【火曜日】

am朝礼 

pm病棟作業療法、シャワー浴(14:00~、男性→女性1時間程度ずつ)

【水曜日】

am売店、洗濯物週配備 

pmシャワー浴(14:00~、女性→男性1時間程度筒)

【木曜日】

朝礼、入浴(男性9:00~)、院長回診 

pmシャワー浴(女性15:00~)

【金曜日】

am朝礼、シーツ交換、入浴(女性9:00~)、洗濯物週配備

pm病棟作業療法、シャワー浴(男性15:00~)

【土曜日】

am朝礼 

pmシャワー浴(14:00~、男性→女性1時間程度ずつ)

【日曜日】

am入浴(男性9:00~、全員検温・血圧測定、コップ消毒)

pmシャワー浴(女性15:00~)

シャワーや入浴が主なものになっていますが、病気の性質上、入院していた急性期は、倦怠感などがひどく、シャワーや入浴をスムーズに行うことはできませんでした。このような日程でも、毎日の生活を送ることがとても大変でした。

作業療法などの時間もありましたが、自分は症状がひどくほとんど参加できませんでした。

お金の管理洗濯物の管理なども、入院生活の最後の方でようやく少しずつできるようになりました。

また、その他の日程として、定期的に主治医との面談もありました。

さらに、面会にも定期的に家族がきてくれました。

そして、症状がよくなってくると、退院の準備として外出外泊といった復帰訓練があります。外出や外泊をしては症状が悪化しての繰り返しでしたが、なんとか3ヶ月で全ての入院治療を終え、通院での療養生活に戻ることができました。

1.5 入院費用について

おそらく、金銭面もかなり気になると思うので、覚えている範囲でかかった費用等を記載します。

入院保証金:70,000円

食費(1食あたり):210円

小遣い管理料:1日154円

個室料金:1日2,000円~3,000円

洗濯代金:1ネット800円

他科受診等における付添い費:医師30分ごと5,000円

看護師他専門職30分ごと2,000円

健康保険高額療養費制度も使えますし、私的な医療保険に入っていると、入院期間も長いため、かなりの保険金がもらえます。

是非、ご自身の保険の加入状況などを確認し、おおよその金額を計算した後に入院されることをおすすめします。

1.6 入院生活に必要なもの

最後に、必要な持ち物を記憶の限り記載します。

・パジャマ 2~3枚  

・下着類4~5枚  

・普段着4~5枚  

・ティッシュペーパー 

・プラスチックのコップ 

・かかとのある上履き

・洗面用具一式(洗面器、歯ブラシ、歯磨き粉) 

・入浴用具(シャンプー、リンス、ボディソープなど)

・タオル類(バスタオル、フェイスタオル、ハンドタオルなど)

・生理用品(女性)、電気カミソリ(男性)

30歳を超えて全てのものに記名することに、かなりの抵抗があったことを覚えています。今ではそれも良い思い出です。3ヶ月間スマホなしの生活も今は耐えられませんが…是非一度お試しあれ。

2 入院でうつ病は治るの?

ここまでの入院生活でも少し書かせてもらいましたが、入院するとうつ病が治るのか?という疑問にお答えします。

結論は、“入院だけでうつ病が治るとは言い切れない“です。

まず、うつ病には“治る”という概念はなく、ほとんど元の状態に戻る“寛解”を目指すことになります。

寛解を目指すには、薬物療法を主とし、それ以外にも認知行動療法作業療法運動療法などを継続して行っていく必要があります。 

入院治療では、治療の主となる薬物療法における患者にとってのベストな選択をすることができるため、大変大きなメリットがあります。 

しかしながら、患者によって症状が異なり、寛解までの期間も予測できないため、入院だけで寛解するとは言い切れません。

もちろん、入院期間中に寛解してしまう人もいるかもしれませんが、自分の体験上、入院中に寛解するレベルの人は、前提として入院していなかったように思いますし、実際私も入院から数年経ちますが、いまだ寛解には至っておらず、抗うつ薬を飲み続け、作業療法運動療法などの様々な治療を継続しています。

したがって、“入院だけでうつ病が治るとは言い切れない”が、“入院することで、うつ病治療の土台をしっかり作ることができ、寛解に近づきやすくなる”とは言えるのではないでしょうか。

3 最後に ~安心して入院し、うつ病と向き合おう!~

自身の経験を元に、うつ病での入院生活を記載しましたが、いかがでしたでしょうか?

寛解に近づいた今、入院生活をもう一度送りたいとは思いませんが…もしも、もう一度うつ病の急性期を迎えたとしたら、間違いなく入院生活を送ります。それくらい大きなメリットがあり、現在の良い状態の自分につながっていると実感しています。

今、入院しようか迷っている人は、是非入院のメリットを正しく認識したうえで、前向きな検討をおすすめします。

最後まで記事を読んでくれてありがとうございました。クロヒョウ先生@Webライターでした!

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